認知症テスト「長谷川式スケール」とは?やり方や注意点などを徹底解説

認知症テスト「長谷川式スケール」

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認知症テストの1つに「長谷川式スケール」があります。

「長谷川式スケール」は医療機関で実施されるほどの信頼性がありますが、自宅でも簡単に実施できる認知症テストです。

この記事では、認知症テスト「長谷川式スケール」がどのようなものかについて解説します。
「長谷川式スケール」のやり方や注意点なども紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

目次

認知症テスト「長谷川式スケール」とは

プリントとペン

「長谷川式スケール」とは、認知機能を測るテストの1つで、精神科医の長谷川和夫氏が開発しました。

長谷川式スケールは、準備物も少なく口頭で全てのテストができるなど簡易的であるため、短期間で効率的に認知機能の検査ができます。

しかし、簡易的な検査といっても診断の精度が低いわけではなく、診断の精度の高さから多くの医療機関で採用されていることが特徴です。

また、インターネットでも問題を手に入れられるため、自宅でも気軽に認知機能の検査ができるメリットもあります。

ただし、自宅でのテストは正確性に欠けるため、正確な結果が知りたい場合は医療機関で長谷川式スケールを受けましょう。

認知症判断のための他のテストとの違い

長谷川式スケール以外にも、「MMSE」や「時計描画テスト(CDT)」といった認知症判断のためのテストがあります。

古くから用いられているMMSEは記憶力に重点を置いた検査方法です。

長谷川式スケールとMMSEの違いは、長谷川式スケールが全て口頭検査であるのに対し、MMSEでは文章を書いたり図形を描いたりする検査も含まれている点にあります。

また、長谷川式スケールでは見当識能力や記憶力、計算力、言語能力を測るのに対し、時計描画テスト(CDT)では視空間認知や構成能力を測るなど、検査項目の違いもあります。

それぞれのテストに特徴があるため、その場に適した検査方法を選択するようにしましょう。

認知症テスト「長谷川式スケール」の評価項目・実際の質問・点数配分

相談

長谷川式スケールの評価項目と実際の質問、点数配分を以下の表にまとめました。

評価項目実際の質問点数配分
年齢あなたの年齢はいくつですか?1点
※2年までの誤差は正答
日時の見当識今日は何月何日ですか?
何曜日ですか?
今年は何年でしょうか?
各1点(計3点)
場所の見当識私たちが今いる場所はどこですか?自発的に答えられれば2点。(病院名や施設名、住所などは正確でなくても良い)
5秒程度置いた後、ヒントを出して答えられれば1点。
即時記憶これから言う3つの言葉を言ってみてください。また後で聞きますのでよく覚えておいてください。

※3つの言葉は①②のどちらかを選び、ゆっくり切って発音する
①「桜・猫・電車」
②「梅・犬・自動車」
1つの言葉に対して1点(計3点)
※3回以上繰り返しても覚えられない場合はそこで打ち切り。
計算問題「100引く7はいくつですか?」
答えが出たら「それからまた7を引くといくつですか?」

※最初の計算に失敗したら打ち切り。2問目の質問で「93」という数字は言わない。
各1点(計2点)
逆唱私がこれから言う数字を逆から言ってください。

※数字は①ができたら②に進む。ゆっくりと間隔を置いて発音する。
①6ー8ー2
②3ー5ー2ー9
各1点(計2点)
遅延再生先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください。(「即時記憶」で教示した言葉)自発的に答えられた言葉には各2点。
ヒントを出して答えられたら各1点。

※ヒントは1つずつ出す。
⚪︎:「1つは(植物/動物/乗り物)でしたね」
×:「植物と動物がありましたね」
視覚記憶これからあなたに5つの品物をお見せします。それを隠しますから、今ここに何があったかを答えてください。順番はどうでも構いません。

※物品の指定はないが、お互いに無関係なものを用意。
各1点(計5点)
言葉の流暢性あなたが知っている野菜の名前をできるだけたくさん言ってください。

※答えられた野菜の名前を用紙に記入。重複しても構わないが採点はしない。
5個までは採点せず、6個以上10個まで1点ずつ加算。(最大5点)

※約10秒待っても出てこない場合は打ち切り。

合計30点満点であり、20点以下の場合は認知症の疑いがあるといえるでしょう。

参考:長谷川式簡易知能評価スケールの使い方と採点方法|名古屋市医師会

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認知症テスト「長谷川式スケール」のやり方

指を組む

長谷川式スケールのやり方について、準備から点数の集計まで解説します。

STEP

事前準備

長谷川式スケールでは、事前準備として次のものを用意します。

  • 評価用紙
  • 筆記用具
  • 検査の際に見せる5つの品物
  • 年齢を確認できるもの

検査の際に見せる5つの品物は、指定がありません。

しかし、お互いに無関係なものを用意するように気をつけましょう。

例えば、時計・鍵・たばこ・ペン・硬貨などが例として挙げられます。

また、年齢を問う質問があるため、年齢を確認できるものも必要です。年齢を確認できるものを用意する際、検査前に本人に年齢を確認しないように注意してください。

STEP

実施

準備ができたら、実際に長谷川式スケールを実施します。

回答は口頭にて行われ、評価用紙への記入は質問する側が行います。

質問や点数配分は先ほど紹介した表をもとに進めてみてください。

STEP

点数の集計

検査が終わったら点数の集計をします。

表に記した点数配分をもとに9問それぞれの点数を算出します。

質問によって点数配分が細かく分かれているため、注意して算出してみてください。

各質問の点数が出たら、それぞれを足して合計点を出せば点数の集計が完了です。

認知症テスト「長谷川式スケール」の点数で判断する認知症の具合

手を握る

長谷川式スケールの点数と認知症の具合の関係性について解説します。長谷川式スケールは記憶力に関連する質問が多くあるため、記憶障害が少ないタイプの認知症の診断には活用しにくい点に留意しながら読み進めてください。

20点以下:認知症疑い

長谷川式スケールは30点満点ですが、20点以下だと認知症の疑いがあると判断されます。

簡易的な診断であるため、認知症と断定できるわけではありませんが、20点以下だと日常生活に影響が出ている場合があります。

日常生活が正常に送れていない様子が見られる場合は、医療機関に相談してみましょう。

15点前後:中度の認知症

15点前後の場合は中度の認知症と判断されます。

日常生活に大きな影響が生じている可能性もあるため、医療機関への相談だけでなく、施設への入所も検討したほうが良いでしょう。
中度以上の認知症になると、症状によっては家族だけで対応するのが難しくなるためです。

本人の意思を尊重しながらも、必要があれば施設への入所を検討してみてください。

10点以下:重度の認知症

10点以下の場合は重度の認知症と判断されます。

得点が15点前後の場合と比べて、日常生活への影響が大きいことが推測されます。
そのため、早急に医療機関への相談と施設への入所を検討してください。

認知症テスト「長谷川式スケール」で認知症が疑われる場合に行うべきこと

お年寄り

長谷川式スケールで認知症が疑われる場合に行うべきことを解説します。本人が行うべきことと、家族や周囲の人が行うべきことに分けて見ていきましょう。

認知症の疑いがある本人に行ってもらうこと

認知症の疑いがある本人には、認知症の進行を遅らせるための行動を起こしてもらうことが大切です。

生活習慣の改善は、認知機能の低下を遅くする効果があります。
具体的には、次のような行動がおすすめです。

  • 栄養バランスの取れた食事をする
  • 定期的に運動する習慣を身に付ける
  • ボランティアなどの社会的活動を行い、積極的に人と関わる機会を設ける

ただし、認知症が疑われる場合、急激に生活習慣を変えると脳や身体が変化に追いつかず、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあります。

そのため、1日10分の運動や週に1回、1時間程度の社会活動から始め、徐々に身体を慣れさせることがおすすめです。

家族や周囲の人が行うこと

家族や周囲の人は、認知症への理解を深めるとともに、各種機関に相談する必要があります。

認知症になった場合、長い介護生活が始まります。
認知症の人に対しておすすめの行動ややってはいけない行動、介護の注意点などを理解しておくと、いざ介護生活が始まるときに、慌てることがなくなるでしょう。

また、医療機関や地域包括支援センター、自治体の窓口などの機関に相談に行くことも大切です。

認知症の本人との向き合い方や治療法など、気になる点を相談しておくことで、気が楽になることもあるでしょう。
ため込んでしまうと心身ともに疲弊してしまうため、気兼ねなく相談できる場所を見つけておくこともおすすめです。

どのような相談機関があるのかは、以下の記事で解説しているので、併せてお読みください。

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認知症テスト「長谷川式スケール」の注意点

老人

長谷川式スケールを実施する際の注意点は、次の4つです。

  • 受検者の体調や環境をしっかり整えてから実施する
  • 無理に行わない
  • このテストのみで認知症の判断はできない
  • 何度も行ってしまうと正当に評価できない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

受検者の体調や環境をしっかり整えてから実施する

受検者の体調や環境をしっかり整えてから実施することが大切です。
体調が万全でなかったり、騒音が聞こえるなど環境が悪かったりする場合、受検者が本来の力を発揮できない可能性があります。

具体的には、次のような点に配慮すると良いでしょう。

  • 静かな環境をつくる
  • ゆっくりはっきりと出題する
  • 本人の自尊心を傷つけない

静かな環境をつくり、受検者がリラックスできるようにすることが大切です。
受検者の耳がよく聞こえない場合には、ゆっくりはっきりと出題するようにしましょう。

また、本人が「認知症の検査をされている」と認識すると自尊心を傷つけてしまう可能性があります。
そのため、認知症の検査であることを強調しすぎないように注意が必要です。

無理に行わない

テストは無理に行わないことも大切です。
特に精神状態が良くない場合、自宅で受検することはおすすめしません。

無理にテストを行わず、医療機関を受診して精神状態と認知機能の関係を検査してみることがおすすめです。

このテストのみで認知症の診断はできない

長谷川式スケールは、あくまでも簡易的な検査です。
そのため、長谷川式スケールだけで認知症の判断はできません。

最終的な判断をするためには、認知症の初期症状の特徴なども踏まえて、医療機関で診察を受けることが必要です。

認知症の初期症状については以下の記事で解説しています。ぜひ併せてお読みください。

何度も行ってしまうと正当に評価できない

テストを何度も行ってしまうと正当に評価できません。
長谷川式スケールは質問の形が決まっているため、何度も行うと問題を覚えてしまう可能性があるからです。

もし複数回テストを実施する場合は、テストの内容を覚えていないかを確認してから行うようにしましょう。

まとめ

新聞を読む

長谷川式スケールは、自宅でも簡単に認知症の検査ができる認知症テストです。
医療機関でも取り入れられるほどの信頼性があるため、家族が「認知症かも?」と感じたら実施してみてはいかがでしょうか。

ただし、あくまでも簡易的なテストであるため、検査結果は参考程度に受け止めておくことをおすすめします。
もし長谷川式スケールにて認知症の疑いが見つかったら、早めに医療機関を受診することが大切です。

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この記事を書いた人

ファミトラは「人生100年時代のコンシェルジュ」として、認知症による資産凍結だけでなく、家族の老後にまつわるさまざまな課題解決に伴走しています。介護や相続の他、遺言や任意後見・成年後見制度、生前贈与といったこれまでの対策に加わるかたちで、「家族信託」のサービスをあたりまえにすることを目指しています。

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